山登り
随分前の事ですが、僕が芦屋のセミナーで前に出て、友達二人と
六甲山に登った時の話をした事があるのですが、先日「最近山登
りをしたんですが、途中から股関節に違和感があり、とても歩き辛
くなり、これはマズいな。と思っていた所に片山先生の話を思い出
して大変助かりました」と言う話をお聞きしてとても嬉しく思いまし
た。
正直皆さんの前で、こんな登山の話をして役に立つのかなぁ。とい
う思いもあったのですが、無駄では無かった事が分かりとても嬉し
かったです。
その時に話した事が、またいつか誰かの役に立つかもしれないの
で、今回はその話を書いておきます。
僕たちは以前月に1、2回色々なところに山登りをしていました。と
いうのも最終的には富士山に登る目的があったので、その為の練
習を兼ねてしょっちゅう登山をしていました。しかし、富士山を登っ
てからは目的を失い、半年に1回とか1年に1回気が向いたら登り
に行く程度になりました。
ところで皆さん、富士の登山ってどんなのか知っていますか?僕も
話では「とにかく人が多い」というのは聞いていたのですが、実際
に行くとホントに想像以上の人ごみにビックリしました。みんな山頂
でご来光を見るために夜中の2時、3時に一斉に登るわけですから、
あの岩場の登山道が、足の踏み場も無いほどの人・人・人で大渋
滞。前方を見ても後方を振り返っても個々に着けたヘッドライトの
大、大、大行列で、それはもうゴールデンウィークの心斎橋状態。
ほんとに隙間なしの状態で、みんな何かに取り憑かれた様にもく
もくと頂上に向かって歩いていくのです。
頂上に着いたら着いたで、「チョットすいません、すいません」と言
って人を掻き分けて歩かなくてはいけないほどの人ごみで「あれっ、
ココってサマソニのライブ会場やったん?」と思いTシャツ、短パン
になりビールでも買いに行きそうになりましたが、あまりの寒さに
ハッとようやくそこが富士山の頂上である事に気づくほどの人ごみ
でした。
しかしヘトヘトになりながらも頂上では、晴天に恵まれ運良くご来
光を見る事ができました。人だらけの肩越しに・・・(笑)
しかし今考えても、夜中の山頂にあれだけの人がいるのも、なか
なか奇妙な光景ですよね。世界遺産に登録される前でその状態
でしたから、現在はもっと凄いことになっているかもしれません。
皆さんもよろしければ是非、富士山頂の「サマーソニックのライブ
会場」に行ってみてはいかがでしょうか。
もちろんロックバンドは出てきませんが・・・
六甲山に話を戻します。その時も1年以上ぶりの登山でした。一
人の子は180センチ位の身長でポッチャリ気味の体格で「Perfu
me」が大好きでいつも登山には「Perfume」のライブTシャツを
着ていました。ちなみに去年の京セラドームのライブに僕も誘わ
れて行ってきました。初めてのPerfumeのライブでしたが、三人
ともとても可愛いくて、ノリも良く、あれだけの高さのヒールを履き
ながら繰り出されるダンスも切れが良く、とてもかっこ良くて大変
楽しかったです。男なら誰しもあの美脚のハイヒールのステップ
で踏みつけられたくなる気持ちがよく分かりました(冗談です)
ちなみに誰にも言っていませんが、僕の中では「のっち」が一推
しです。次回は頭にハチマキをして、背中に「のっち」の名前入り
のピンクの特攻服を着て、オタ芸でもしてこようかと思っています
(笑)
もちろんその日の彼のTシャツも「Perfume」で「コレでオレの
テンションアゲアゲになるねん」と、とても嬉しそうでした。そして
もう一人は僕と同じような背格好でした。
いつも思うのですが「六甲山」という所は、なぜかネーミングもオシ
ャレで、登山に来ている人たちも、山ガールと呼ばれる今風の若
い女の子達が多く、ファッションもオシャレな子が多いですね。
対照的に、僕達がよく登っていた「金剛山」はいつも、昔ながらの
ファッションにベテランの山ガールが多かったように思っていたの
は僕だけでは無いはずです(もちろんイイ意味です)
で、六甲山の話ですが、頂上までは長年のブランクがあったにも
かかわらず順調だったのですが、頂上で昼ごはんを食べてからの
下りが大変でした。3分の2程下りてきたところで180センチの「P
erfume」Tシャツを着たポッチャリしたおっちゃんが言うのです。
「マジでヤバイわ、右脚がちゃんと上がらんようになってきたわ」と。
でもいつも登山の時は、体の一番大きい彼が「疲れたからチョット
休憩しよ」と言い、そして休憩し、その彼が回復したらまた登りだ
すというペースで登っていましたので、またいつもの事だろうと思
い、あまり気にせず休憩をマメにとりながら下りて行くという事を繰
り返していましたが、その彼がどんどん遅くなり、顔色も悪く右脚
を少し引きずっているような状態になっていましたので、コレはいつ
もと少し事情が違うな、という事がすぐに分かりました。
そこで少し広い休憩するスペースがあったので、ベンチもありまし
たので「そこでしばらく座って休憩しとき」と言って僕達二人はそこ
からの景色を堪能していました。
そして長めの休憩をとり彼の元へ行くと、相変わらず青白い顔で、
辛そうにベンチに座っていました。そんな状態のおっちゃんの水色
のTシャツの前面に、大きく描かれたピンクのハートマークに「I L
ove Perfume」の文字が、辛く孤独でもの寂しい彼の表情を
さらに切なくさせていました(笑)もうその時のPerfumeTシャツ
には彼をアゲアゲにする威力は完全に無くなっていました。
さすがにいつも冗談ばかり言っている仲間なのですが、僕もコレ
はマジでヤバいな。と思いそこで整体をする事にしました。
なにせまだ3分の1下りていかないといけませんから。
彼の歩いている状態を見ていると、疲労から右の骨盤が下がり右
側の足の母指に力が入らなくなり右脚が上がらなくなっている事
は容易に推測できました。そうは言っても、下は砂利でドロドロだし
、そこでうつ伏せにさせる訳にもいかないので、そのベンチに腰掛
けさせたまま、とりあえず右足のブーツを脱ぐように言いブーツの中
で、汗で蒸れまくったクツ下の上からとりあえず右足の母指に力が
入るように第一しょ骨(母指球の縁)を輸気して緩めました。
さすがに右側の腰に力も入らなく歩行も困難な状態でしたので、
そこの第一しょ骨はガチガチに弾力が無くなり力を入れず輸気し
ただけでも、大の男がメチャクチャ痛がっていました。
しかしそのまま3分程輸気していると、だんだん緩んできて、彼も
「アレ、痛くなくなってきたわ」と言い出しました。そして続いて脚
の疲労を取るために足三里(ここもガチガチでした)をしっかりと輸
気しました。すると彼の表情も随分と安らぎ、僕もコレはイケるな、
と確信しました。
そして「チョット歩いてみ」と歩かせましたら「わぁ~歩けるわぁ、嘘
みたいに脚が軽いわ。ほれ、トキ様、もうこの様に歩けるようにな
りましたわい」と飛び跳ねて喜んでいましたので、その時に僕はや
っぱり北斗神け・・、いや整体を勉強していて良かったなぁとつくづ
く思いました。
そこからは僕が驚く位に、足取りも軽くサッサと彼が先頭に立ち、
なんとか無事に下山する事が出来ました。
ちなみに今回、僕に声をかけてきた方もこの話を思い出し足三里
に輸気したそうです。まだ整体を学び始めて一年位だと言ってい
ましたが、それでも十分に効果のある事が出来るのですから、皆さ
んも整体技術を全てマスターしなくてもちょっと知っているだけで
普段の生活に役立つ事がたくさんありますので難しく考えずに整
体を学んでいかれたらいいと思います。
僕も緊急時に整体を知っていて助かったことは本当にたくさんあり
ます。特に緊急時などには、物が無くても自分の手だけで出来る
整体の素晴らしさに本当にいつも感動させられます。
ぜひ皆さんにもこの感動を味わって頂きたいものです。